ブランド好感度を上昇!広報PRのKPI設定の秘訣

広報PRの目標設定ってどうしているの?
今回は、このような悩みを解決する広報PRのKPIについて説明します。
広報PR担当者になった場合には、目標設定に悩んだ経験があるかもしれません。目標設定もせずに、広報活動を進める方もいますが、目標を設定・達成することはモチベーションの維持や社内での広報PRの存在感を向上させるためにも有効です。
そのため、本記事では広報PR活動のKPIを決める際のポイントや具体的な設定例についてご紹介します。
広報PRで目標を設定する目的
広報を担当する部署は、宣伝部と比較して予算は限られており、人的リソースも限られています。その中で、社内で広報活動を理解してもらうためにも目標設定が重要です。
また、目標設定と効果測定を繰り返してPDCAを回すことが、企業とステークホルダーの信頼関係を構築にもつながります。
計画を持たずに広報活動を進めると、制限されたリソースが速やかに使い果たされ、本来達成したかった活動が実現できなくなることがあります。
広報PRの目標を設定する際のポイント

目標設定は何から考えればいい?
最終的なゴールからKPIを設定する
会社全体の目標があれば、そこから部署の最終的なゴールを決め、それを表現できる指標を設定します。その後、現状の数値を分析し、KPIとして設定します。
中期経営計画を策定していれば、その事業を支援するような形で目標を設定しましょう!
自社の広報PR活動の成熟段階に合わせて設定する
自社の知名度に合わせて目標を設定することが重要です。企業の知名度向上を目標にするべきか、ブランド価値向上に寄与するべきか段階に応じた目標を設定します。そして、個人に目標を振り分けていくことが大切です。
広報PR活動の目標として設定する指標例

どういった指標を広報PRの目標に設定すればいい?
完璧な指標というのがないため、複合的に指標を組み合わせるなど会社に応じて判断するといいと思います。
1.報道関連の指標
企業規模次第になりますが、報道数を目標にすることは社外広報としてオーソドックスです。報道数の目標設定方法は複数あります。
(1)「広告換算値」
新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、WEBサイト等の広告枠を購入した場合の金額と広告の広さや時間などから算出するものです。新聞や雑誌各社の広告費用や、テレビ局は一般社団法人日本広告業協会(JAAA)の「放送広告料金表」から算出するのが一般的です。そのほか、「PRTIMES」や「PR Analyzer」などにおいて広告換算値を算出するサービスを展開されています。
露出を広告費として算出できる一方で、換算するのに手間や費用がかかることがデメリットです。
比較対象として、他社の状況を確認すると更に費用が膨らんでしまいます。また、露出に集中することで内容を疎かにする恐れもあるため注意が必要です。

(2)「報道・SNS件数」
新聞や雑誌、WEBの報道件数を数えるものです。新聞や雑誌件数は「日経テレコン」を利用することで新たな費用を掛けずに件数を確認することができます。WEB・SNS件数は「Meltwater」を利用することで新たな費用を掛けずに確認できます。
「広告換算値」と比較して、労力は掛からない一方で、クリッピングサービスである「日経テレコン」や「Meltwater」の契約をしている必要があります。
また、「広告換算値」と同様に露出に集中することで内容を疎かにする恐れもあるため注意が必要です。

日経テレコン
過去40年分の新聞・雑誌記事を中心に、国内外の企業データベース、人物プロフィルなど、幅広いビジネス情報を収録。戦略立案、業界分析、M&A、競合比較、リスク管理、海外進出。情報を必要とするすべての人々にとって欠かせないビジネスツールとなります。
Meltwater
企業が インターネット上のあらゆる情報を分析するのに役立つツールです。 ニュースメディアやSNSなどのオンライン上の情報を収集し、可視化することによって、インターネット上で、新商品の反響を調べたり、評判や口コミを調査し、競合分析や情報共有を強化する事ができます。
2.ブランド好感度
企業のやサービスなどのブランドに対する好感度を目標に設定できます。いわゆる広報の「質」を確認するものです。好感度調査は調査会社への依頼や社内でアンケートで確認できます。
調査会社は大手広告代理店や報道関係のグループ会社が担うため、費用が掛かってしまいます。客観的なデータが取得できる一方で、ブランド好感度調査を依頼した部署の悪いことは結果として出さないことも多いこともあることから、人によっては無駄な調査だと感じる人もいますので、経営層の感触を確認することが大切です。

3.情報発信数・自社ホームページのPV数
広報を設置して初期の会社が設定する目標です。プレスリリースや取材、記者発表、SNSなどでの発信件数を目標として掲げることとなります。
自社のホームページにおけるPV数などの確認はできるものの効果的な報道につながっているかどうかは確認できていないため、「やっているだけ」の不十分な目標数になる恐れもあります。

4.口コミサイトの好意的な口コミ数
SNSに近いですが、お客様からの口コミサイトでの好意的・悲観的な口コミ数を確認することとなります。BtoC系の事業を行う企業であれば確認しやすいですが、BtoB系であれば、口コミサイトをそのまま利用するのも難しいかもしれません。
また、口コミであれば、広報PR効果の影響は限定的で、現場社員の対応に大きくゆだねることになってしまうこととなります。

目標設定の具体例
会社の目標が「2030年に不動産業界1位」であれば、広報の目標を「2030年度に不動産業界で知名度No,1」とします。
その目標達成のため、「日本経済新聞での報道件数・広告換算値で不動産業界1位」などとすることが重要です。
その達成に向けて、日本経済新聞での掲載件数を年間●件にすることを社外広報担当者全体の目標として、1人あたりの担当者で●件の掲載を目指すため、リリースや取材、記者発表の件数を●件とすることとすると考えることが大切です。

目標を設定し、広報PRの成果を可視化しよう
広報PRにおいては、目標設定が効率的な業務を進めるうえでは不可欠です。これにより、社内評価が向上し、取材などの対応をする方からの理解も得やすくなります。また、実績が重なることで、モチベーションの向上にもつながることでしょう!
また、広報の基本ガイドを以下の記事で紹介していますので、ご参考ください!
広報の成功への道: 基本ガイドと重要なポイント | 広報PR研究所 (kansaikouhou.online)
リリース作成方法の基本はこちら!
プレスリリース作成歴10年以上の担当者が教える!効果的な「プレスリリース」を作る際の注意点 | 広報PR研究所 (kansaikouhou.online)
報道機関とは何かも説明しています
報道機関を知る!広報活動の成功に不可欠な報道機関との信頼関係構築 | 広報PR研究所 (kansaikouhou.online)
筆者プロフィール
10年以上の間、記者発表や取材対応、リリース作成などの社外広報を担当。これまでに100回以上の記者発表や1,000本以上のリリースを作成。自社だけでなく、グループ会社の広報業務も手掛けているため、大手企業から中小企業の情報発信を経験している。専門媒体や地方媒体から全国のニュースまで多方面での広報の企画立案と実施を行っている。