プレスリリース作成歴10年以上の担当者が教える!効果的な「プレスリリース」を作る際の注意点

プレスリリースを書きたいけど、プレスリリースがわからない・・
今回は、このような悩みを解決する「プレスリリース」の作り方を説明します。
「プレスリリース」は、企業価値向上に向けて、企業の取り組みを情報発信する重要な役割を果たしています。
この記事では、効果的なプレスリリースの要素や書き方、注意すべきポイントについて解説します。読者は自社の情報をメディアに発信する際の手法を学べるようになります。
「プレスリリース」発信の目的
「プレスリリース」とは、「報道発表資料」を意味します。
プレスリリースは、企業や団体が報道関係者などに向けて発信する効果的なコミュニケーションツールの一つです。一般には、複数のメディアに同時に情報発信する方法になります。
プレスリリースにより報道に繋げることで、企業の認知度向上や信頼を得ることが目的とされています。

そのため、まず始めに、プレスリリースの配信目的を明確にしましょう。プレスリリースの目的を具体的に定義することで、効果的なメディアアプローチが可能になります。
その次が最終目的です。企業が発信した情報ができるだけ多くの人に届くことですが、具体的な目標を掘り下げてみましょう。
具体的な目標例
- 自社や製品・サービスの認知拡大
- 製品・サービスの売上拡大
- ステークホルダーからの共感獲得
- マーケティング活動への貢献
- 広告費用の削減
- IR支援 など
「プレスリリース」の種類
プレスリリースの中にも重要度に応じた種類があります。
それが、重要度が高い「ニュースリリース」と、重要度が高くないものも含む「ニュースレター」です。
ニュースリリース
企業や団体が主にメディアや報道機関に対して、重要な情報や出来事を伝えるための文書です。新製品の発売や重要なイベントの開催など重要度が高い内容になります。ニュースリリースは客観的で事実を伝えることが求められ、報道機関がそのまま記事として利用できる文章が求められます。発表方法としても、HTML形式やテキスト形式で電子メールとして発信するうえ、所属する記者クラブに投函されることが多いです。
ニュースレター
企業や組織が自身の顧客や購読者に対して直接、定期的に情報やニュースを提供するための手段です。製品情報や受賞関連、業界動向、会社のニュースなどを伝える目的があります。
記者クラブへの投函はされないものの、HTML形式やテキスト形式で電子メールとして送信されます。

「ニュースリリース」と「ニュースレター」で扱う内容

「ニュースリリース」や「ニュースレター」で取り扱う内容の違いは?
「プレスリリース」を「ニュースリリース」か「ニュースレター」にするかは、発表内容の重要度に応じた企業の経営判断になります。
他社の発表方法を確認しながら、判断するとよいと思います。
私の経験では、以下の通りです。
「ニュースリリース」または「ニュースレター」
新商品・新サービスの発表、業務提携・事業提携、企業買収、
パートナーシップ提携・協定締結、決算発表 など
「ニュースレター」
既存商品・既存サービスの実績、既存商品・既存サービスのリニューアル
イベントやセミナーの開催・出展、広告・CM・プロモーションの開始・
キャンペーンの実施 など
業界動向や登壇者、発表内容、企業の規模、新規性などの複合的な観点から「ニュースリリース」か「ニュースレター」にするのか判断しましょう。
「プレスリリース」の発信先
「プレスリリース」を作成するときには、ターゲットとなるメディアを選定することが重要です。
新聞社や通信社、雑誌、WEBニュース、テレビ局、ラジオなどの報道機関を対象にすることで、報道の確率を高めます。新聞社であれば、一般紙や業界紙、産業紙など様々な種類があるため、どこに掲載されるようにするか考慮することが望ましいです。
そうすることで、企業のプレスリリースがより多くの注目を浴びることとなります。
また、近年では、インフルエンサー、芸能人、ユーチューバー、ブロガーなど、様々なメディアが存在し、それぞれが一定の影響力を持っています。これらの第三者が発信する意見も重要であり、プレスリリースを通じて情報を発信することで、広く知られることが期待できます。

記者に届く「プレスリリース」の数

プレスリリースを書けば基本的に記事になるの?
「プレスリリース」の中でも主要新聞社が記事にするのはごくわずかです。
記者には、1日に500件のリリースが届くとも言われているため、企業はニュースバリューが高いプレスリリースにすることが重要です。
そのため、プレスリリースでは、事実を伝えるだけでなく、新商品や新サービスなどの新しい情報はもちろん、世の中や業界の動きなどの情報を含めることでニュースバリューを高めることを意識しましょう。
当然、プレスリリースはニュース価値がある情報を提供することが基本です。記者が興味を引く情報や他のメディアが取り上げる可能性の高いトピックを明確に示しましょう。これにより、メディアの注目を集めることができ、プレスリリースのPV数の向上につながります。
「プレスリリース」の書き方

「ニュースリリース」や「ニュースレター」がわからない・・・
「ニュースリリース」と「ニュースレター」の書き方には大きな違いはありません。
プレスリリースの本文を作成する際には、以下の基本的な構成と書き方のコツを考慮してください。
タイトル
適切なキーワードを組み込んだ、簡潔で興味を引くタイトルを設定します。
サブタイトル
タイトルを補完し、追加の情報や要点を簡潔に示すサブタイトルを記載します。
(サブタイトルがなくても成立します)
リード文
要約としてのリード文では、プレスリリースの中心となる情報を端的に伝え、メディアの関心を引く工夫を施します。重要な要素や驚きを盛り込むことで、読者の興味を引きます。
本文
本文では以下の順序で情報を提供します。
a. 導入
最初の段落で、プレスリリースの目的や重要性を説明します。なぜこの情報が重要で、どのような背景があるのかを端的に伝えます。
b. 詳細情報
次に、本文を適切なセクションに分け、それぞれの詳細情報を提供します。段落ごとにまとまった情報を伝え、箇条書きやグラフを活用してわかりやすく整理します。
c. 引用や裏付け
プレスリリースの信頼性を高めるために、専門家の引用や統計データなどの裏付けを用意します。
d. 資料や画像の添付
必要に応じて、資料や画像などのメディアを添付し、情報の理解を深めます。
企業情報
企業の概要や関連する背景情報を提供します。これにより、メディアが企業に関する正確な情報を得られるようになります。
問い合わせ先
最後に、プレス担当者や企業の問い合わせ先情報を明示し、メディア関係者が疑問や追加情報を求めやすくします。
この構成を踏まえ、プレスリリースの内容によって柔軟に本文を構築し、メディア関係者にわかりやすく興味を引く形に仕上げましょう。

まとめ
本記事では、効果的なプレスリリースの要素や書き方、注意すべきポイントについて解説してきました。特に注意すべき点は、「目的」と「ターゲット」の設定です。
「目的」と「ターゲット」の設定次第で、ニュースリリースやニュースレターの書き方も変わってくるため、戦略的にステップを踏んで作成していきましょう。
是非、これらのポイントを参考にして、効果的なプレスリリースを作成してください。
また、広報の基本ガイドを以下の記事で紹介していますので、ご参考ください!
広報の成功への道: 基本ガイドと重要なポイント | 広報PR研究所 (kansaikouhou.online)
筆者プロフィール
10年以上の間、記者発表や取材対応、リリース作成などの社外広報を担当。これまでに100回以上の記者発表や1,000本以上のリリースを作成。自社だけでなく、グループ会社の広報業務も手掛けているため、大手企業から中小企業の情報発信を経験している。専門媒体や地方媒体から全国のニュースまで多方面での広報の企画立案と実施を行っている。