リークで差をつけろ!メディアが注目する広報の極意

リークってどうやってやるの?
今回は、このような悩みを解決するリークの方法について説明します。
これまでに経験がなく広報PR担当者になった場合に、ニュースバリューを向上させる方法がわからず、「とりあえず」プレスリリースを作って、配信しても中々効果が上がりません。
戦略的に情報発信することで記者を惹きつけるために、広報担当者は記者に「独自ネタ」を提供する「リーク」を上手に行うことが重要です。
そのため、本記事では「リーク」のメリット、具体的な手順、そして「リーク」時に留意すべきポイントについてご紹介します。
リークとは
「リーク」とは、1社の記者に情報を伝えることです。記者にとって独自情報と扱えるため、企業は情報のニュースバリューを高めることができます。
プレスリリースや記者発表・記者会見などで同時に複数のメディアに情報を発表する方法もありますが、そういった情報は独自ネタではないため新聞社で大きく取り扱われることが難しくなります。
そのため特に中小企業では、「リーク」がニュースバリューを高められる有効な手段になります。

リークのメリット

リークにはどんなメリットがあるの?
「リーク」することのメリットは主に2点です。
1点目は、情報発信力の強化ができることです。
2点目は、情報提供した記者との信頼関係が構築できることです。
情報発信力の強化
プレスリリースや記者発表などの一斉発表では報道されないような取り組みでも「リーク」を使えば、報道となり情報発信力の強化につながります。
企業がリークをすると、新聞社は独自ネタとして取り扱えるため、報道される可能性が高まり、大きく取り上げられる可能性が高まります。

情報提供した記者との信頼関係を構築
「リーク」をすることによるメリットは、記事が大きく出る可能性が高まるだけではありません。
記者が独自報道をすることができると新聞社内での評価が高まるため、情報を提供してくれる広報担当者に対して信頼をしてくれる可能性が高まります。
リーク以降は定期的に情報交換もできるかもしれません。

リークのデメリット

リークはやったほうがいいんだね!でもデメリットもあるのでは?
「リーク」をすることにメリットがあれば、もちろんデメリットも2点あります。
1点目が、正式発表では報道されない恐れがあること。
2点目が情報提供をしていない記者とは信頼関係が希薄になる恐れがあることです。
正式発表では報道されない
基本的には、「リーク」した後の報道以降に企業からプレスリリースや記者発表などで正式発表を行います。しかし、「リーク」による報道がされている2番煎じとなる情報発信となるため、ニュースバリューが薄れています。
そのため、新聞社は取り上げる優先順位は下がり、ほかの媒体では報道にならない可能性は高まります。
その一方で、日本経済新聞で1面でとりあげられるようなことがあれば、ほかの報道機関からは後追いの取材につながる可能性もあります。
情報提供をしていない記者とは信頼関係が希薄に
正式発表前に「リーク」する新聞社を厳選することになるため、情報提供していない記者とは信頼関係が構築できない可能性が高まります。
そのため、「リーク」をしてしまったがために、それ以降の情報発信でも自社の取り組みを取り上げてくれなくなってしまう恐れがあります。
そのため、デメリットとメリットを把握しながら、「リーク」をするかどうかの判断を進めるとよいでしょう

広報戦略としてリークが適しているネタ
「リーク」する内容としては、プレスリリースを出したとしても報道が見込めないか、新聞などの紙面下部に並べられた記事「べた記事」になってしまいそうな情報が適しています。
例えば、中期経営計画・事業戦略、新規事業・サービス・商品などです。
数字も出せる内容となるため、記者が記事として書きやすい一方で、一般の人にはあまり興味のないような内容でも掲載される可能性が高まります。
また、経営トップ人事もリークに適していますが、リーク先でない新聞社からは特によく思われないため注意が必要です。
リークの方法
リークするにはステップがあります。
1.「リーク」内容の確認
記者に対して、何をどこまで話すことができるのか確認することが最初のステップです。
記者に開示できる内容次第で、リーク先となる新聞社も変わってきます。
マイナーだったり、専門的だったりする内容であれば、一般紙へのリークは難しくなるため、産業紙や専門紙へのリークを打診することとなるでしょう。
業界以外の一般の方が興味を惹く内容でなければ、一般紙では取り上げることはできません。
そのため、まずは想定問答や想定記事の作成をすることで、リーク内容の確認をするとよいでしょう。

2.リーク先の新聞社を決定する
「リーク」できる内容から親和性の高い新聞社を選びます。
特に一般紙の記者は多忙のため、本音からすると記事にならないような非常にマイナーな情報提供はさばき切れないため、控えてほしいと思っています。
一般消費者向け:一般紙(読売新聞など)
ビジネスマン向け:経済紙・経済誌(日本経済新聞など)
マイナーな内容:産業紙(日刊工業新聞など)
非常にマイナーな内容:専門紙
となります。
各報道機関の違いについては
報道機関を知る!広報活動の成功に不可欠な報道機関との信頼関係構築 | 広報PR研究所 (kansaikouhou.online)

3.担当者となりそうな記者を探す
記者の中でも、得意・不得意な分野があったり、担当の業種があったりします。
そのため、記者の名前を明記されている、過去の署名記事を確認することで担当者となりそうな記者を探します。
そこから新聞社に連絡して、取材の打診をすることとなります。

4.情報の概要を伝え、取材になるかどうか確認する
記者は多忙な中すべての取材依頼を対応することはできません。そのため、広報担当者からの連絡で記事になるかどうかを判断することとなります。
それが、電話だけで聞いてくれる場合もあれば、ブリーフィング(概要資料)の送付を依頼されることもあります。
そこで記者が取材に食いついてくれなければ「3.担当者となりそうな記者を探す」に戻ることとなり、興味を持ってくれれば取材することとなります。
5.取材設定する
取材対応者となる企業側の担当者と広報担当者が同席の上取材対応します。
記事にならないようであれば、「3.担当者となりそうな記者を探す」に再度戻って記事になることを目指して挑戦続けることになります。
ターゲットとなる新聞社が記事化が難しいということであれば、リークはあきらめてプレスリリースの発信のみとなります。
6.報道
取材の内容を基に記者が記事を掲出します。
運が良ければ、記事を見た他社の記者から後追いの問い合わせが入ることとなるでしょう

リークの注意点
広報戦略としてマスコミに「リーク」する際に知っておきたい5つの注意点
注意点1: リークに値するネタか確認する。
ステップで説明した通り、情報がその新聞社や記者に適したものかどうか確認する必要があります。適していないものだと、記者からはわかっていない広報担当者と認定されてしまう恐れもあるため注意が必要です。
注意点2: 情報解禁日を記者と握り合う。
「リーク」以降にプレスリリースや記者発表をするようであれば、公表するタイミングを記者に伝える必要があります。取材しておきながら、勝手に公表してしまったら、反感を買ってしまう恐れもあります。
注意点3: 複数のメディアにリークしない。
1社に対して、情報提供することでニュースバリューを高めることができるため、不特定多数にリークするようなことはないように注意してください。
注意点4: リーク後は記者と密に連絡を取り合う。
補足説明はもとより、報道につながりそうかどうかなどを取材してくれた記者と密に連絡を取り合うことが重要です。記者も多忙な中で対応してくれるため、ニュースが飛んでしまうこともあります。
リークの成功は露出を最大化できるが、注意点を把握せずには逆にデメリットになる可能性があります。
本記事で紹介した手順と注意点に留意しつつ、「リーク」を巧みに活用して、効果的な広報活動を展開してください。
まとめ
本記事では、新たに広報担当に任命されたけれど、広報って何だろう?と戸惑っている方へ向けて、広報の初歩となる「リーク」の手法を解説しました。
リークには、メリット・デメリットがあるため注意して対応を進める必要があります。
その代わり、成功すれば大きな成果にもつなげることができるでしょう。
企業広報はビジネスの成長において極めて重要な役割を果たします。
本記事を通じて、企業広報の理解を深め、成功への第一歩を踏み出してください。
広報の基本はこちら広報の成功への道: 基本ガイドと重要なポイント | 広報PR研究所 (kansaikouhou.online)
筆者プロフィール
10年以上の間、記者発表や取材対応、リリース作成などの社外広報を担当。これまでに100回以上の記者発表や1,000本以上のリリースを作成。自社だけでなく、グループ会社の広報業務も手掛けているため、大手企業から中小企業の情報発信を経験している。専門媒体や地方媒体から全国のニュースまで多方面での広報の企画立案と実施を行っている。